電動バイクのバッテリーは3種類!バッテリーの違いを解説!
公開日:2023/03/01 最終更新日:2023/04/19
電動バイクのバッテリーは3種類(厳密には2種類)あり、それぞれ特性があります。リチウムバッテリーが主流ですが、それぞれ価格、安全性、利便性が異なるので、どれがよいかは使い方次第。バッテリーは電動バイクの予算と使いやすさを左右する大事な要素です。3種類のバッテリーの特性を見てみましょう。
電動バイクのバッテリーの種類は3種類
電動バイクのバッテリーは「鉛バッテリー」「シリコンバッテリー」「リチウムバッテリー」の3種類が主流。それぞれ長所、短所があるので、電動バイクの用途に合わせて選ぶと失敗が減るでしょう。
鉛バッテリー
鉛バッテリーは150年前に開発された、伝統あるバッテリーです。価格の安さ、繰り返しの充電に優れ、車のバッテリーなどさまざまな用途に使われています。数は多くないですが、低価格帯の電動バイクでも使われています。安定性があり、過酷な気候でも劣化が少ないのが特徴です。
デメリットは巨大で重く、軽量化が難しいところ。車体からバッテリーを取り外すことができないので、充電は車体に直接ケーブルを刺すしかありません。充電設備のある駐輪所でなければ充電できないので、ガレージ付きの一軒家でないと管理維持は難しいでしょう。放電しやすいので、電動バイクを使わない時も定期的に充電する必要があります。寿命がほかのバッテリーに比べて短く、使用開始からおおよそ1年半、300回の充電が限界といわれています。
シリコンバッテリー
鉛バッテリーの一種で、バッテリー内部の電解液にシリコンを使っているタイプのバッテリーです。鉛バッテリーの安定性を持ちながら長寿命性、充電時間を大きく短縮できる、進化型の鉛バッテリーといえるでしょう。鉛バッテリーの寿命が短いのは、電極に硫酸鉛というゴミが積もり充電、放電を妨げるため。シリコンバッテリーはそれを防ぐので寿命が長く続き、約500回の充電に耐えられます。(おおよそ1年半か、充電350回ほどから劣化が始まります)鉛バッテリーに比べて電気容量が多いことも魅力。劇薬の希硫酸を使わないので、安全性が比較的高いのもメリットです。
デメリットは生産メーカーが限られることと、鉛バッテリーに比べると高価なところでしょう。特許問題があるため、どこのメーカーでも手軽に作れないのが最大のデメリットです。
リチウムバッテリー
スマホやノートPCなど、小型家電の充電に活用されるリチウムイオンバッテリー。電動バイクにも採用されています。取り外しができるので、駐輪場に充電設備がなくても自宅で充電できるのが大きなメリットです。
性能も鉛バッテリーに比べて高く、1,000回以上の充電回数に耐え、電気容量が多い、自然放電しにくい、出力が安定しているなど利点がたくさんあります。最大の利点は小型軽量化しやすい点です。車体から取り外しができ、劣化したらすぐに交換できます。
デメリットは高額なところと、取り外しできるので盗まれるリスクなどです。駐輪場に入れたら必ず抜き取りましょう。寿命は2年から3年ほどで、600回以上の充電から劣化が始まります。
電動バイクの充電について
電動バイクの充電は、駐輪場でコンセントに繋ぐか、バッテリーだけ抜き出して自宅で充電するのが一般的です。充電スタンドなら急速充電もできますが、規格によっては使えないこともあります。
自宅での充電は100Vか200V
自宅で充電する場合、標準的な100Vか大型家電用の200Vの2種類があります。200Vは電動自動車ではメイン電源ですが、普通のコンセントでは使えません。もし駐輪場に普通のコンセントしかない場合は、工事をする必要があるでしょう。
一方で最近は100Vで充電できる機種が増えています。100Vなら普通のコンセントでも手軽に充電することができます。その代わり充電時間が長く、9時間ほど必要です。
急速充電は規格に注意を
充電スタンドの電圧は100A以上あり、自宅で充電するよりはるかに短い時間で充電ができます。しかし急速充電は規格が統一されず、充電スタンドによっては使えないこともあるので注意が必要です。
現在は日本規格「CHAdeMO(チャデモ)」、EUとUSA、中国、テスラ社の4つの規格が混在しています。多くの充電スタンドではチャデモを採用していていますが、事前に充電スタンドの規格をマップで調べることをおすすめします。
消耗が早いのはどのタイプの電池?
今回紹介した中で、一番消耗が早い電池は鉛バッテリー。電池容量が小さく、ゴミが溜まりやすいためです。寿命も短いため、最近の電動バイクはリチウムバッテリーが増えています。
鉛バッテリーが短命な理由「サルフェーション」
鉛バッテリー最大の問題は、電極に付着するゴミです。サルフェーションと呼ばれる現象で、化学反応しない希硫酸が結晶になり、電極(負極板)に付くことで起こります。ゴミがつくと充電、放電の邪魔になり、徐々に出力が落ちてきます。
まとめ
電動バイクのバッテリーについて紹介しました。どれも一長一短はありますが、近年はリチウムバッテリーが主流です。ガソリン車に比べてこまめに充電しないといけないなど不利な点もありますが、バッテリーの精度や利便性はどんどん上がっています。リチウムバッテリーは性能、耐久性に優れた電動バイクのスタンダードな動力源です。取り外して部屋で充電できるなど、住環境に左右されないのも支持される理由でしょう。